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靖国報道 [新聞より]

靖国参拝関連裁判についての最大の問題が2つある。気にしていないつもりだったが、例の判決について、周りから
「違憲だったんだって?」
「裁判で参拝は認められなかったんだって?」
という意見をとにかく、よく言われる。
よく知らないとまたマスコミにだまされることになるし、こじれていきそうだ。

判決時は、「主文」と「理由」と「傍論」が語られる。

「判決主文」では、 原告の訴えを棄却する
「判決理由」では、 原告には何らの損害も存在しない
「 傍論」はで、  首相の当該靖国参拝は憲法19条の政教分離原則に反し違憲だ (これは裁判官の私見)

となっている。だから裁判で違憲になったわけではない。
問題は
①その「 傍論」はただの「私見」なのにそれにのってさも、裁判で総理が負けたかのように、世論を誘導するマスコミがいること。
②そもそも権力者である裁判官が、こういった場で「私見」を述べることができるということ。

②など、私見を述べて自分が大岡裁きをしたと思わせる裁判官の人生観、社会観、道徳観などいらないだろう。司法試験に合格した秀才である自分が万能かと思わせるような横暴さを感じる。以前から裁判でのときおりのこの暴論について気になっていた。許されるべきではないと思う。このままこの制度を放っておいていいのだろうか。

弁護士になった奴から聞くと、
「裁判官を目指す奴は、マジメなやつで、現役合格にこだわり、だいたい一切バイトもしたことがない。」といっていた。
そんな人生経験で、多くの人の人生を見て裁く。法に照らす分は仕方がないが、私見をいわれちゃあ、たまらんし、なんの生産性もないどころか、こういった問題を起こすことになる。
こういった動きが重なると、靖国問題もだんだんグロテスクなものに発展していくだろう。

以下は朝日ネットから-------------------------------------
 http://www.asahi.com/national/update/0930/TKY200509300136.html

「首相の靖国参拝は違憲」大阪高裁判決、賠償は認めず 

01年から03年にかけての3度にわたる小泉純一郎首相の靖国神社参拝で精神的苦痛を受けたとして、台湾人116人を含む計188人が、国と小泉首相、靖国神社に1人あたり1万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。大谷正治裁判長は、参拝が首相の職務として行われたとしたうえで、「国内外の強い批判にもかかわらず、参拝を継続しており、国が靖国神社を特別に支援している印象を与え、特定宗教を助長している」として、憲法の禁じる宗教的活動にあたると認めた。一方で、信教の自由などの権利が侵害されたとは言えないとして、原告らの控訴を棄却した。

 小泉首相の靖国参拝をめぐる訴訟の判決は、全国の6地裁と2高裁で計9件言い渡されており、いずれも賠償請求を退けている。このうち昨年4月の福岡地裁判決が違憲判断を示したが、高裁の違憲判断は初めて。過去には中曽根康弘元首相の靖国神社公式参拝について、大阪高裁が違憲の疑いがあるとする判決を出している。

 今回の訴訟の対象になったのは、小泉首相の昨年までの4回の参拝のうち、01年8月13日、02年4月21日、03年1月14日に行ったもの。

 判決はまず、参拝が首相の職務にあたるかを検討。公用車を使用し首相秘書官を伴っていた▽公約の実行としてなされた▽小泉首相が私的参拝と明言せず、公的立場を否定していなかったこと――などから、「内閣総理大臣の職務と認めるのが相当」と判断した。

 さらに、3度にわたって参拝し、1年に1度の参拝をする意志を表明するなど参拝実施の意図が強固だったと認定。「国と靖国神社の間にのみ意識的に特別にかかわり合いを持ち、一般人に国が靖国神社を特別に支援している印象を与えた」とした。

 そのうえで、参拝の効果について「特定の宗教に対する助長、促進になると認められ、我が国の社会的・文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超える」として、憲法20条3項の禁止する宗教的活動にあたると結論づけた。

 一方で、首相の参拝が原告らに対して靖国神社への信仰を奨励したり、その祭祀(さい・し)に賛同するよう求めたりしたとは認められないと指摘。原告らの権利や利益は侵害されていないと判断し、損害賠償請求は一審に続いて退けた。

 訴訟は、台湾立法院議員で原住民族「タイヤル族」の高金素梅さん(40)らが参加し、03年2月に起こされた。原住民族の中には第2次大戦中に日本軍のもとで戦った戦没者の遺族も含まれ、「日本の植民地支配で被害を被っており、戦前日本の精神的支柱である靖国神社への首相の参拝で苦痛を受けた」などと主張した。

 昨年5月の一審・大阪地裁判決は、首相が3回の参拝で公用車を使ったり、秘書官を同行させたりした点について「緊急事態や警備のため」と指摘し、首相の職務行為に当たらないと判断。参拝で原告らが不利益を被ったとは言えないとして、憲法判断に踏み込まないまま原告の請求を棄却した。原告はこれを不服として控訴していた。

 靖国神社は「首相参拝が違憲と判断されたのは極めて遺憾である」とのコメントを出した。

    ◇

 《判決骨子》

 ◆職務行為性

 小泉首相の靖国神社参拝は内閣総理大臣としての職務でなされた。

 ◆違憲性

 小泉首相の3度にわたる参拝で、国は靖国神社との間で特別のかかわり合いを持った。特定の宗教を助長し、相当とされる限度を超えており、参拝は憲法が禁止する宗教的活動にあたる。

 ◆法的利益の侵害

 参拝で、原告らの信教の自由などを根拠とする権利、利益について強制や干渉、権利の侵害があったとは認められない。


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コメント 4

カワタ

結局、小泉首相は分祀を行わずに参拝しそうですが、これで村山談話の引用は必要に迫られた苦渋の決断などではなく単に小泉の思考=村山の思考だったという事になってしまいました。同盟にすら陰りが出るなんて何のための小泉だったのか。

小泉首相、年内に靖国参拝=追悼施設建設、解決策にならず-山崎自民前副総裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050925-00000030-jij-pol

国防長官来日見送り 日米同盟に陰り 「普天間」停滞 首相丸投げ状態
http://www.sankei.co.jp/news/051007/morning/07iti001.htm
by カワタ (2005-10-11 11:05) 

梅太郎

小泉総理の歴史認識はこれからもまったくカイゼンされないでしょうね。
日米関係も悪化しないようにしてほしいですね。
by 梅太郎 (2005-10-12 14:21) 

TECO

今日のとくダネ!でも
「靖国参拝は裁判で違憲とされた」とやってました。
これではほとんどの人が騙されても仕方ないかと。
by TECO (2005-10-12 20:18) 

梅太郎

もう、日本のメディアは狂ってますよね。楽天の三木谷氏がTBS買収で、
「メディアの役割は社会性、公共性、事実性がある。マネーゲーム化されては困る」といわれたら
「今のメディアも偏りすぎて、ちゃんとそれらが果たされているとは思えない」といっていたことに拍手したい。どの辺がそうであったかはわからないが、質問や反論する者のレベルがホリエモンや三木谷と比べると本当に低い。そういうレベルしかテレビにはいないのかと思えてしまうのもしょうがないですよね。
三木谷氏もそれほど好きとはいえないが、いまの放送局の連中よりはいいと思う。
by 梅太郎 (2005-10-18 01:55) 

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